2010年11月14日

ミーントーン

 今回のテーマはミーントーン音律です。
 このブログの初期にすこし解説していますので重複しますが再度説明してゆきます。

 10世紀頃、スコットランドのケルト人達は純正長三度の音程で美しい民謡を歌っていました。
これがヨーロッパ大陸にはいり音楽の中心地イタリア フィレンツエの人々に強烈なカルチャー
ショックを与えました。この純正長三度の美しさをより楽しみたいといままでのピタゴラス音律
に替わる新しい音律を考え出しました。
それがミーントーン音律です。ミーンは中間を意味しまして、日本語では中全音音律と言いま
す。ピタゴラスでは全音が2種類発生してしまい、C#とD♭は違う音高になってしまいます。
この広い半音と狭い半音の中間をとり1種類の半音に統一して欠点を修正しました。全音の
中間(ほぼ)で等分し半音とすることで中全音と訳されています。

特徴は100%純正な長三度です。音程の単位では386セント(平均律では400セント)に
なります。そのかわり完全5度はかなり純度が犠牲になりますが違和感はありません。
少し専門的過ぎる文章になりましたが、このブログの正確と了解して下さい。

イタリアの民謡カンツオーネやオペラもミーントーンで歌われました。もちろんチェンバロや
ビオール族の器楽もこれで統一です。

ピタゴラスに替わりこの音律がイタリアで普及しだすと、あっというまにヨーロッパ中に伝わっ
てゆきました。しかしなぜか、当時音楽後進国であったドイツはあまり積極的にはとりいれ
ませんでした。ゲルマン人のプライドといいますか全ての面でイタリアに追いつき追い越せ
との国策的なものもあったのでしょうか?

民謡やアリアだけではなくもちろんカソリックのミサで歌われる賛美歌もミーントーンで歌わ
れたことでしょう。悦楽的に美しすぎると拒んでいた教会も、大衆の欲求を拒絶することは
出来なかったようです。

ミーントーンの解説はこれぐらいにしましょう。

わたくしが古典音律を実際の音楽活動で用い始めたときにも試してはみました。
ただこの音律には大きな欠点もありまして!

調性が#系ではホ長調以上、♭系では変ロ長調以上になりますと極端に三和音の純度が
劣化してきます(うなりビートが速くなり美しくなくなります)。
このミーントーンを愛用したことで知られるモーツアルトのレパートリーの調性が単調なのも
これが原因と言われています。

これまでベルクマイスターにかわってケルナー音律でエンジェルスハープの調律をしてきま
した。これはこれで正しい選択だとおもっています。
今年も昨年に続きクリスマスコンサートを松本市美術館で12/23 pm3:00~に行う事にな
りました。もちろんプログラムはクリスマスキャロルが中心になります。そこでまたまた試行
錯誤癖が出てきまして!
エンジェルスハープの合奏では、演奏の容易さもあって、殆どがC・F・Am・Dmの調に編曲
しています。でしたら本来純正律により近いミーントーンで賛美歌を弾いてみたらと思いたち
ました。

おもいついたらすぐに試さないと気がすみません、さっそく実践です。

そこで先日、戸倉上山田のイタリアンレストラン 「トラットリア・ソアーヴェ」でのコンサートに
このミートーンを使ってみることにしました。曲目はグリーンスリーブスと慈しみふかい、です
結果は上々!演奏された生徒さんの感想も、ケルナーより明るさが増して余韻も長く美しい
との事でした。わたくしもソロで何曲か弾いてみましたが、じつにブリリラントといいましょうか
はなやかでより明るく力強い感じでした。ひょっとしたらエンジェルスハープのような倍音が
多く発生する楽器にはむいてるのかもしれません。

これで今度のクリスマスコンサートでのキャロルも調律はミーントーンで決定です!
是非コンサートに来ていただき、まだまだ演奏技術は未熟ですが、響きやハーモニーをたの
しでみて下さい。

もう一つお知らせがあります。
じつは12月からオフィス・ドルチェのホームページを開設します。エンジェルスハープでも検索
できます。いままでブログでは画像を公開してきませんでしたがHPではたっぷり掲載し新作も
更新してゆきますのでご利用下さい。
また、HPからも「古典音律」ブログをアクセス出来るようリンクもしてゆきますので、引き続きご
愛読いただければさいわいです。

   では今回はこれで終了といたします                    
                                    ベルクマイスター

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Posted by ベルクマイスター at 17:17Comments(0)