2007年04月06日

魅惑の3度

 ピタゴラス音律による8度、5度のハーモニーで歌っていたヨーロッパの人々は、何か新しい響きはないかと模索しはじめました。12世紀頃のことです。そのとき海を隔てたブリテン島、スコットランドで美しい3度のハーモニーで歌っていると言う情報がヨーロッパ大陸に入ってきました。ピタゴラス音律では3度はとてもきたない不協和音でしたのでこの純正長3度の響きにびっくりしたんでしょうね。

 ちょうど20世紀に入り、ブルックリンでジャズが起こり、プレスリーやビートルズが出現したようなもので、この3度が大陸中に大流行しました。ちょうどルネッサンスの勃興とタイミングがあったのでしょうか?

 そしてこの純正3度を最大限に活かした新しい音律ミーントーンが誕生しました。

いま私達は12等分平均律とやらで音楽を聴きまたプレイしてますので、実際に純正3度の音程を体験することはめったにありませんまん。・・・・・・
が、めったにともうしましたのは他でもなく、気がつかない内に体験しているのです。

 みなさんそろそろカッコウの鳴き声が聞こえる季節になりましたね。松本周辺の市街地でもケッコウないていますよ。(下手なだじゃれになってしまって!)

その鳴声、あのカッコーワルツを思い出しませんか。
そうです、♪ミッドー ミッドー ミッドーソミドミレー♪ のあれです
でもよーく聴くとミの音程がちょっと低いんです、カッコーさんは。

このちょっと低いミがミーントーンのキモでして、ドーミ間の純正長3度音程をカッコウは自然に
歌っています。2羽のカッコーが同時にミとドを鳴いたらきっとすばらしいハーモニになるんでしょうが!
 もうひとつ、ちいちゃな子供がハトポッポを歌っているのを聞いたことありませんか?
なにも音楽の訓練を受けた経験がないですから子供は自分の出しやすい音程で歌ってしまいます。ポツ ポツ ポー ハトポツポーは♪ド レ ミー ソミドッレー♪ですね!
これもよく聞くとたいていはミの音が低いんです。実はこれも純正長3度音程なんです。

人間の声帯はもともと協和音程を出すのが自然なのです。鳥や他の動物も同じです。
日本の民謡や世界中の民族の歌うフォルクローレはみな純正音律でうたわれています。日本の音楽は古来より中国から伝わった三分損益法という音律を使ってきました。

音律の話、少しおもしろくなってきましたか?
私くしベルクマイスターは、この純正3度の響きをみなさんにあじわってもらい、音楽の喜び、美しさ楽しさの幅を広げたいとおもっています。
ウイーン少年合唱団、ピーターポール&マリー(PPM)、サイモンとガーファンクルもこのハーモニーを使っています。ビートルズのマッカトニーとジョンレノンは幼少時に教会の聖歌隊で歌っていましたからひょっとするとあのビートルズサウンドも純正3度のハーモニーをとりいれていたのではと憶測してしまいます。

 次回は、では実際にどうすれば簡単に古典音律で音楽が出来るかを話して行きましょう。

今回はこれにてFineしましょう。

 










Posted by ベルクマイスター at 14:50│Comments(1)
この記事へのコメント
ピタゴラスって改めてすごい人だったのですね。
音を数値???

私は今ではすっかりドレミの音符も読めなくなりました。
なんとなく聴くだけ。音律とかさっぱりなのですが、こう文章で読んでみるとわかりやすくて面白いです。
Posted by ちゃる at 2007年04月07日 10:16
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