2012年08月24日

古典音律ギター

 古典音律を用いた音楽をしてゆこうと、エンジェルスハープを開発しまして、普及指導を
進めてきました。県内、松本・長野・諏訪・塩尻・上田・安曇野の各市に教室を設ける事が
出来、徐々にですがレベルも上がり、エンジェルスハープ音楽の形が整いつつあります。


また、古典音律を用いた音楽を、ルネサンスから古典派及び印象派までのクラシック音楽の
世界にとどまらず、ポピュラー音楽のジャンルにも応用出来ないかという思いがあります。
それには、一般大衆的な楽器を古典音律で演奏出来るようにしてみようと考えました。

そこでまず始めに、ギターをやってみることにしました。

ギターは、マンドリン族やビオール族と同じフレットを持った、平均律楽器の代表のような楽
器です。これを古典音律で演奏するためには、フレットの間隔をウェルテンペラメントに変え
なければいけません。半音の間隔がオクターブ12等分された平均律ならば、6コースどの弦
のピッチも同じになりますから一本のストレートなフレットに理論的になります。

ところがウェルテンペラメントでは12個の半音間隔がそれぞれ異なりますので、ストレート
フレットでは成り立ちません。
ギターの6弦それぞれに個別に計算されたフレッティングの指板が必要になります。

この特殊なフレット間隔を計算するには、気の遠くなるような膨大な指数計算が必要になりま
すが、現在ではコンピューターという素晴らしい武器がありまして、瞬時にこれをやってくれ
ます。
しかしその計算プログラムをシステム化するのが大変な作業でしたが、ようやくピッチを算出
し、そのデータでフレット溝を加工する事に成功しました。

こうして、古典音律で演奏出来る指板が出来ました。

さっそく通常のクラシックギターに取り付けてみました。
そして、C・G・F・E・B♭・A とコードを弾いてみました。

なんともまろやかな甘い和音の響きが鳴ります。
旋律も流れるようになめらかです。
バッハ「主よ 人の望みの喜びを」を興奮の面持ちで弾いてみます。
   ファンタスティック♪

やはりバッハの音楽はロマンティックなんですね!

魅惑の三度・がギターでも再現できました。なんとも至福の喜びです!

パテント申請の予定もありまして画像はまだ公開出来ませんが、早速試奏会をしてみること
にしました。

多くのギター愛好者に試奏していただき感想・ご意見をお聞きするのが目的です。

1回目は7月に塩尻市市民タイムスホールで行いました。
第2回は、来月9月に行います。


  武田芳雄・新作楽器発表会
  
  場所   松本市中町・蔵シック館 2F会議室
  日時   9月7日(金)  午前10;00~12:00
  入場 無料


6弦がお互いに純正に共鳴し合うため、残響時間が通常のギターより長いように感じます。
サスティーンが良いと表現しますが!


     百聞は一見(一聴かな?)にしかず!

世界で唯一(?)のケルナー音律ギターを是非試奏してみて下さい。



















  

Posted by ベルクマイスター at 06:52Comments(2)

2010年11月14日

ミーントーン

 今回のテーマはミーントーン音律です。
 このブログの初期にすこし解説していますので重複しますが再度説明してゆきます。

 10世紀頃、スコットランドのケルト人達は純正長三度の音程で美しい民謡を歌っていました。
これがヨーロッパ大陸にはいり音楽の中心地イタリア フィレンツエの人々に強烈なカルチャー
ショックを与えました。この純正長三度の美しさをより楽しみたいといままでのピタゴラス音律
に替わる新しい音律を考え出しました。
それがミーントーン音律です。ミーンは中間を意味しまして、日本語では中全音音律と言いま
す。ピタゴラスでは全音が2種類発生してしまい、C#とD♭は違う音高になってしまいます。
この広い半音と狭い半音の中間をとり1種類の半音に統一して欠点を修正しました。全音の
中間(ほぼ)で等分し半音とすることで中全音と訳されています。

特徴は100%純正な長三度です。音程の単位では386セント(平均律では400セント)に
なります。そのかわり完全5度はかなり純度が犠牲になりますが違和感はありません。
少し専門的過ぎる文章になりましたが、このブログの正確と了解して下さい。

イタリアの民謡カンツオーネやオペラもミーントーンで歌われました。もちろんチェンバロや
ビオール族の器楽もこれで統一です。

ピタゴラスに替わりこの音律がイタリアで普及しだすと、あっというまにヨーロッパ中に伝わっ
てゆきました。しかしなぜか、当時音楽後進国であったドイツはあまり積極的にはとりいれ
ませんでした。ゲルマン人のプライドといいますか全ての面でイタリアに追いつき追い越せ
との国策的なものもあったのでしょうか?

民謡やアリアだけではなくもちろんカソリックのミサで歌われる賛美歌もミーントーンで歌わ
れたことでしょう。悦楽的に美しすぎると拒んでいた教会も、大衆の欲求を拒絶することは
出来なかったようです。

ミーントーンの解説はこれぐらいにしましょう。

わたくしが古典音律を実際の音楽活動で用い始めたときにも試してはみました。
ただこの音律には大きな欠点もありまして!

調性が#系ではホ長調以上、♭系では変ロ長調以上になりますと極端に三和音の純度が
劣化してきます(うなりビートが速くなり美しくなくなります)。
このミーントーンを愛用したことで知られるモーツアルトのレパートリーの調性が単調なのも
これが原因と言われています。

これまでベルクマイスターにかわってケルナー音律でエンジェルスハープの調律をしてきま
した。これはこれで正しい選択だとおもっています。
今年も昨年に続きクリスマスコンサートを松本市美術館で12/23 pm3:00~に行う事にな
りました。もちろんプログラムはクリスマスキャロルが中心になります。そこでまたまた試行
錯誤癖が出てきまして!
エンジェルスハープの合奏では、演奏の容易さもあって、殆どがC・F・Am・Dmの調に編曲
しています。でしたら本来純正律により近いミーントーンで賛美歌を弾いてみたらと思いたち
ました。

おもいついたらすぐに試さないと気がすみません、さっそく実践です。

そこで先日、戸倉上山田のイタリアンレストラン 「トラットリア・ソアーヴェ」でのコンサートに
このミートーンを使ってみることにしました。曲目はグリーンスリーブスと慈しみふかい、です
結果は上々!演奏された生徒さんの感想も、ケルナーより明るさが増して余韻も長く美しい
との事でした。わたくしもソロで何曲か弾いてみましたが、じつにブリリラントといいましょうか
はなやかでより明るく力強い感じでした。ひょっとしたらエンジェルスハープのような倍音が
多く発生する楽器にはむいてるのかもしれません。

これで今度のクリスマスコンサートでのキャロルも調律はミーントーンで決定です!
是非コンサートに来ていただき、まだまだ演奏技術は未熟ですが、響きやハーモニーをたの
しでみて下さい。

もう一つお知らせがあります。
じつは12月からオフィス・ドルチェのホームページを開設します。エンジェルスハープでも検索
できます。いままでブログでは画像を公開してきませんでしたがHPではたっぷり掲載し新作も
更新してゆきますのでご利用下さい。
また、HPからも「古典音律」ブログをアクセス出来るようリンクもしてゆきますので、引き続きご
愛読いただければさいわいです。

   では今回はこれで終了といたします                    
                                    ベルクマイスター

      エンジェルスハープ工房 オフィース・ドルチェ ホームページ

          URL  http://www.angelsharp.jp
           Email fa57775@bg8.so-net.ne.jp





  

Posted by ベルクマイスター at 17:17Comments(0)

2010年05月30日

ケルナー音律

 ヘルベルト アントン ケルナー

ドイツの音楽理論研究家で、まだ現役で活躍されています。

彼の著書 「バッハの気持ちよい調律法」 に出合ったのは松本の中央図書館
でした。PCで調律に関する資料を検索していたら、このタイトルが出てきました。

バッハはベルクマイスター音律を使っていたという説を確信していましたので、大変
衝撃的でした。
本は一般閲覧棚にはなく、書庫に保管されていました、さっそく貸出し申し込みをして
帰りました。まだだれも開いたことのないようで、製本されたままの硬さです。
前記事にも書きましたが、ドーミ、ドーソの重音が発するうなりが同じにならなければ
いけないとする根拠や、その19ステップ調律法の解説は非常によく理解出来ました。

一気に読み終わり次第、さっそくデーターを愛用のキーボードに入力し再現しました。

もちろんエンジェルスハープのチューニングも変更です。

  感想はベリーグッド!

数年間ベルクマイスターで演奏をしてきまして、美しいハーモニーには満足していまし
たが単純な調での旋律性が、重く重厚ではありますが華やかさとパワーに若干乏し
いと感じていました。

このフラストレーションがケルナー音律で一気に解消してしまったのです。
3度6度は、データー的にはベルクより低いのですが、現代曲を演奏してもなんら
違和感がありません。かえってハ長調の主3和音は程よい品位をもったビート感が
ありよりパワフルです。
従って、エンジェルスハープ教室の生徒さんのハープも調律し直しです。

わたくしのこの活動の進展は多くの偶然に後押しされてきましたが、このケルナー
音律との出会いで、けっして偶然ではなく必然であると思えてきました。

これからの課題は、セント値の設定変換によるキーボードの音高に頼らずに耳だけを
たよりに調律出来るようになることですね。
そしてエンジェルスハープに続く次の楽器の開発を始めたいと思います。

その過程を順次当ブログで公開しながら進めてゆこうと考えます。
これまらも宜しくご閲覧下さい!

                                      ベルクマイスター


  

Posted by ベルクマイスター at 20:14Comments(0)

2010年03月20日

ロマンティックバッハ

 ピアノの鍵盤をたたいてみて不思議に思ったことありませんか?

ドとソを同時に弾いたとき(完全5度重音)の透明感の心地よさ!

ところがドとミの場合(長3度重音)のなんともいえない不安定感!

これは長3度の場合に生ずるビート(うなり)のためです。
このビートは1秒間に約6~7回聞こえます。これは人が不快に
感ずる限界ギリギリのものです。2つの音(重音)でどうしてこれだけ
の響きの違いがあるのでしょう?これはオクターブ間を12に等分して
音程をわけた平均律の宿命です。この不透明感な3度をふくむ長短
3和音は24調全てに共通します。

バッハは長3度と完全5度の響きの感じ(うなりの回数)は同じである
べきと考えたと、ケルトナーは予想しました。
これはバッハの宗教的観念による数の神秘性から生まれるもので、彼
の音楽の基本(通奏低音)をなすものです。

つまり、ドもミもソもみな同格で同じ関係でる。すなわち三位一体の音関係
をなすとし、彼独自の音律を確立したはずだとケルナーは言います。
これが「バッハの気持ちよい調律法」の基礎になります。

三位一体とはキリスト教では、父と子と聖霊は同じもので同一であるという
教義です。最近は政治の世界でも三位一体改革とかわけのわからない事
を言った小Oさんがいましたが、本当に意味をわかっていなかったのですね。

わたくしも自分のピアノで試してみました。ドソの5度を純正完全5度と、ドミを
純正長3度にしておきます。そしてややソの5度を狭めに修正にしながら、ミを
少しずつ高めていきます。そうするとあるところで、ドミとドソの響き(うなり)が
ひとしくなる点があらわれます。
これが気持ちよく狭められた5度と広められた3度です。
この気持ちよく調律された5度は5箇所で残りの7箇所は純正完全5度をなし
ます。

ビートを聞き分ける練習をすれば、だれでも19ステップの工程をへて調律
することができます。
バッハの時代はクラビーア(チェンバロ)かオルガンが鍵盤楽器の主流でした
ので、自分自身で調律して演奏したり作曲したのでしょう。
わたくしはピアノで全音域調律してみました。平均律クラビーアの1番プレリュ
ードの冒頭部分を弾いてみましたが、とにかく美しいの一言です。
心地よいビート数はノンビートに勝るかもと思いました。

バロック音楽の奏法はノンビート奏法といわれますが、この調律で発生する
ビート感はどう解釈すればいいのでしょう?バイオリンのノンビブラート奏法
ってこの時代の本当の奏法なのかなあ?と思ってしまいます。
バッハの音楽は重々しくも哲学的でもなくとてもロマンティックですよ。

この響き(魅惑の3度)をだれでも手軽に楽しもうとエンジェルスハープを開発
しました。詳しくはエンジェルスハープのブログで紹介していますのでご覧下さい。

では今日はここで区切りとします。
このブログ、どこまで展開してゆくかわかりませんが、もうすこし続けたいと思います。

ではまた!  

Posted by ベルクマイスター at 02:42Comments(0)

2010年03月13日

バッハの音律

  バッハの生きていた時代の音楽の中心はイタリアでした。イタリアオペラ
はその中で最高の音楽芸術であり、器楽音楽はその下の地位でありました。
そしてオペラはミーントーン音律で歌われていました。もちろん器楽もしかりです。

ドイツは当時、音楽界では後進国でした。バッハもビバルディーの楽譜を取り寄せ
よく研究していました。そして自分の作品に様式をとりいれてもいました。しかし
音律だけは、ミーントーンを採用はしませんでした。
音楽においてもイタリアに追いつき追い越せの国策とゲルマン人のプライドなので
しょうか?

この時代に多くの音律がドイツ人によって考案されます。バッハの先輩のベルク
マイスター、友人のジルバーマン、後のキルンベルガー等。

しかしバッハはこのいずれの音律も採用せず自分自身でクラビーアを調律していた
と言われています。

   ではバッハが調律したのはどんな音律だったのでしょうか?

現在、この研究での第一人者がヘルベルト アントン ケルナーです。

かれはバッハが敬謙なカソリック教徒であったこと、また優秀な数学者で、数字
にたいして、神聖なもので神が与えしものと考えていたこと。
こういったバッハの人格をバックボーンとして、おそらくこういう音律であろうという
ものを発表しました。

その音律とはいったいどういうものでしょう。
わたくしは、その音律を再現し実践することで、バッハの人となりと音楽を再考
したいと思っています。
今日のブログは少々マニアック過ぎる感があり恐縮ですが、もう少し書きます。

 ド ミ ソ の振動数の比は4:5:6であり、三位一体をなすべきであるとバッハ
は考えたと、この想定からケルナーの音律研究がスタートします。
数学と宗教と音楽がまさに融合し合う美意識が感じられ、とても神秘的でロマン
ティックではないでしょうか。

この音律はビート(うなり)が聞き分けられる人であれば容易に調律(どんな楽器
でも)することができます。この作業は19回の工程-19ステップ-で完結します。
平均律クラビーアのロ長調のプレリュードが19小節で書かれていますが、
これは偶然ではなく、バッハの重大な提示なのです。この調律のキーポイントが
ロ長調の主和音H-fis・の狭められた5度にありますが、どの程度狭くするかを
きめる法則が、宗教的根拠から決定されています。

 それはどんな法則なのでしょうか?

長くなりました、今回はここで一区切りとします。

どうでしょうか?不思議な音の世界にいざなわれそうになりませんか!
ロマンティックバッハの第2章は次回へとつづきます。


 


  

Posted by ベルクマイスター at 23:29Comments(1)

2010年02月28日

復活しました

 ベルクマイスターこと武田芳雄です。

弦楽器工房(今はエンジェルスハープ工房となのっていますが)オフィス・ドルチェが昨年10月
松本市高宮東2-19に移転しました。パワーアップし再スタートするとともに古典音律ブログも
リニューアルして復活いたします。

今後ともご愛読、よろしくお願いいたします。

 ニュース

オフィス・ドルチェで生まれたオリジナル楽器・エンジェルスハープも少しずつ輪が広がりつつあります。
最近レッスンルームのピアノを入れ替えました。30年ぐらい前の古いアトラス社製ですが、高音部が
とてもアコースティックな響きでとても気に入っています。

そこで、かねてからの念願でした古典音律ピアノの調律に挑戦しています。
使用音律は、現在世界の古楽研究者で注目されているケルトナー音律です。
単音での調律を済まして、シンプルな響きで平均律の1番プレリュードを弾いて
みました。
 なんともロマンティックな優雅なバッハが聞こえてきました。

ケルトナーの言う、バッハのウェルテンペラメントは長3度と完全5度のビートが同一でなければいけない
という理論が、再現されています。
けっしてバッハの音楽は、重々しく哲学的でもありません。バッハおじさんは好色なロマンティストなオルガン
の上手い人だったと私は思うようにしています。敬謙なクリスチャンを好色と呼ぶと不謹慎と言われそうですが
ドルチェ言語ということでお許し下さい。

このピアノ、弾いて見たい方♪気軽にご来店下さい。もちろん無料で体験できますので!

 連絡先

松本市高宮東2-19 オフィス・ドルチェ

TEL&FAX 0263-31-0835
mail fa57775@bg8.so-net.ne.jp

では今回はこれにて失礼します、次回はエンジェルスハープの情報をおおくりします。

                                    ベルクマイスター   

Posted by ベルクマイスター at 03:32Comments(0)

2008年02月24日

音楽の目的?

今回のタイトル、ちょっと大きすぎるかな?でも実際に音楽されてる方は、常にこの
テーマをひきずっているんではないかなと思い、多くの意見を聞きたくて取り上げてみました。

 私自身、若い時はとにかくリズム感に快感を覚え夢中になっていた時期が
あり、またその時期が過ぎると今度は旋律に憧れることになり、クラシック
ポピュラーを問わず名曲と呼ばれるれるメロディーを追っかけている時期もありました。

そんな時にも音楽って楽しいけど、なくても日々の暮らしは坦々と過ぎてゆくし、とくに性格
や人格に変化がうまれるわけでは無いし、じゃあなんの為に音楽があるのかなあと、ふと
思う事がありました。それから、かれこれうん十年が経ちひょんなきっかけで古典音律に
出会った時、そろそろこの疑問にも自分なりの解答をだしてやらねば先へ進めないなと
思うようになりました。

 そこで「音楽の目的とは」という大命題に対する文献を調べることにしました。
もう30年前に買った、ドイツの19世紀を代表する音楽批評家ハンスリックの
「音楽美論」を再読することにしました。その中でハンスリックは、音楽の目的はファンタ
ジーであるといっています。けして感情表現にはあらずと強調しています。ただしハンス
リックが対象とする音楽は形式を重んずる絶対音楽という前提がありますが。

現代では音楽をはじめ他の芸術分野(文学、絵画、彫刻、映像等)においても、その
目的の多くは感情表現であるというのが通説です。
当時ハンスリックもかなりバッシングを受けましたが、なにせドイツの音楽批評家の第一
人者の提言ですから、かなりのインパクトはあったようです。


     音楽の目的はファンタジー「幻想」の表出である。・・・・・・か!

とにかくバッハやベートーベンの音楽を痛烈に批判し、特にバッハの平均律クラビーアの
全てのプレリュードとフーガに何の感情も思いうかべる事は出来ないし、音楽的価値を
認めないと言った人ですから。この人、天才か変人的凡夫か、改革を叫んだあの人
みたい。(ちょっと不謹慎発言ですみません)
 
 確かに、音楽で感情表現して、感情移入して、他者に同感情を誘引させることに成功
したとき、感動を共有することが出来る?   本当にそうかなあ?
人の感情は多様でこの感情はこう表現すると方法を定義出来るものなのか!
ベートーベンの「運命」を聞いてどんな感動という心理状況が発生するのでしょうか
人間にとっての音楽の本来の役割というか使命はそんな事ではないんじゃないかなあ!
とおもえてきたのです。
      みなさん、どう思われますか?

えー、ちょうど時間となりまーして・・・デデンデンデン
今回はこれにて失礼候、浪速節的エンディングでさようなら。

                                           ベルクマイスター


  

Posted by ベルクマイスター at 14:43Comments(0)

2008年02月20日

復活しました

 しばらく投稿をお休みしていましたベルクマイスターです。
内容をリニューアルしまして再スタートをいたしますのでよろしくお願いいたします。


前回までの説明で古典音律とはなにか、おぼろげながらもお判りいただけたかと思います。
でも実際に聞いてみないとほんとうに感覚としてつかめないかとおもいますが!
新聞紙上でアンサンブルベルクのコンサート情報が載りましたら一度、足をお運び下さい。
ジャンルにこだわらず、古謡や現代の曲を演奏しています。使用楽器はモンゴルの察弦楽器
のモリンホール(馬頭琴)、やエンジェルスハープです。馬頭琴は伴奏楽器が平均律の場合と
古典音律を選択出来るものとで、音律を変えて演奏しています。コンサートでは同じ曲を音律
をかえて弾き比べることもおもしろいですので、パフォーマンスとしてやることもあります。
シンプルな音楽を哀愁感にあふれた音律での演奏を聴いたり、実際に自分で体験してみて
はいかがでしょうか。いままでの音楽観がガラリと変わるかもしれません!
いまアンサンブルベルクでは、古典音律で鍵盤楽器を演奏していただけるメンバーを探して
います。  
 百聞は一見(一聴)にしかず。といいますいちど試してみませんか?
 

次回からは、具体的な演奏方法を説明してゆきたいとおもいます。またあらたに開発した
竪琴エンジェルスハープの話もじっくりと掲載してゆきますので、ご覧になって下さい。

では今回はこれにて失礼いたします。


                                       ベルクマイスター



  

Posted by ベルクマイスター at 15:30Comments(1)

2007年04月14日

実践偏

 今回は、実際にどうやって古典音律で音楽をやればいいかを話して生きましょう。

 古典音律の美しさは、なんといっても和音の美しさです。もっとも簡単な方法は二人で出来ます。一人がドーと声を出します。高さは適当でもいいです、響きは相対関係ですから!
次にもう一人がミーと言って重ねましょう。ハモルわけですね。
でもどんなに正確にミの音程をとっても(正確といいますのは平均律においてですが)綺麗に響かないはずです。そこでミーと発声しながら、ミの音程を上下させ一番綺麗にハモル(協和する)ところをさがします。すこしずつ低くしてゆくと簡単に見つかります。

見つけられれば、人生ではじめての純正 長3度体験になります、魅惑の表現がおおげさでないときっと思われますよ。

 では、楽器ではどうすればいいでしょう?
わたしは、オクターブ12音の音程をそれぞれ微調整できるキーボードを使っています。
古典音律の種類はいくつかありますが、各音律の12音が平均律に対してどれだけずれているかというデータがあります。そのデータをキーボードに設定すると全音域で調整出来ます。コンピューターさまさまですね、でなければ特殊な訓練をうけた調律師の技に頼らねばなりません。こうして設定した基本楽器をもとに他の楽器をチューニングしたり、音程の訓練をしてゆきます。

文章にするとむずかしそうですが、フレットのない弦楽器、バイオリン属、二胡、馬頭琴、等はまず基本楽器で古典音律の音程の位置にマークをつけ練習してゆくと驚くほど速くなれてしまいます。ハープ属では全弦を基本楽器に合わせチューニングします。するとハープ本体のバイブレーションが高まり、ゆたかな音色に変わり3和音の響きとのびが格段にかわります。
歌も同様に基本楽器から音取りして「練習してゆけばいいですが、どんなキーボードを使うかはメーカー名もありますので、ご希望の方はメールでお答えしたいと思います。

ここまでくると、ほんとうかいな?と、ぎしんあんきになりますが、実践した結果でして決して神秘主義ではありません。

 私は、何種類かあるなかで、バッハより少し前の時代の音楽理論家ベルクマイスター氏が考案したものを使っています。バッハはこの音律で平均律クラビーア曲集を作曲したといわれています。
私のアイドルネームはここからとりました。

こうやって練習してきた曲がすこしまとまりましたのでコンサートやってみることにしました。
場所と時間は下のとうりです。

         馬場家住宅七夕コンサート

         「 馬頭琴とエンジェルスハープの調べ」

     日時  7月8日(日) PM3:00~

     場所  松本市内田357-6   重要文化財 馬場家住宅 tel 0263-85-5070
   
     入館料  300円  中学生以下及び70歳以上無料

     主催    弦楽器工房オフィス・ドルチェ TEL 0263-40-0105
     共催    重文馬場家住宅

まあ百聞は一見にしかずといいますか、騙されたと思って聴きにきてください。

12等分平均律が19世紀後半から世界的に普及して、音楽が大衆的なものになり今日の発展のおおきな要因になったことは間違いありません。がそれによって失われた物も大きいものではとの思いがわたくしの音楽感を変えました。
コンピュータにより、古典音律の響きが21世紀の新たな音楽を創造するかもしれません。

では次回からは音楽耳より情報というスタイルでユニークな話題を発信してゆきます。
今後ともよろしく!         
                                           ベルクマイスター

  

Posted by ベルクマイスター at 13:31Comments(1)

2007年04月06日

魅惑の3度

 ピタゴラス音律による8度、5度のハーモニーで歌っていたヨーロッパの人々は、何か新しい響きはないかと模索しはじめました。12世紀頃のことです。そのとき海を隔てたブリテン島、スコットランドで美しい3度のハーモニーで歌っていると言う情報がヨーロッパ大陸に入ってきました。ピタゴラス音律では3度はとてもきたない不協和音でしたのでこの純正長3度の響きにびっくりしたんでしょうね。

 ちょうど20世紀に入り、ブルックリンでジャズが起こり、プレスリーやビートルズが出現したようなもので、この3度が大陸中に大流行しました。ちょうどルネッサンスの勃興とタイミングがあったのでしょうか?

 そしてこの純正3度を最大限に活かした新しい音律ミーントーンが誕生しました。

いま私達は12等分平均律とやらで音楽を聴きまたプレイしてますので、実際に純正3度の音程を体験することはめったにありませんまん。・・・・・・
が、めったにともうしましたのは他でもなく、気がつかない内に体験しているのです。

 みなさんそろそろカッコウの鳴き声が聞こえる季節になりましたね。松本周辺の市街地でもケッコウないていますよ。(下手なだじゃれになってしまって!)

その鳴声、あのカッコーワルツを思い出しませんか。
そうです、♪ミッドー ミッドー ミッドーソミドミレー♪ のあれです
でもよーく聴くとミの音程がちょっと低いんです、カッコーさんは。

このちょっと低いミがミーントーンのキモでして、ドーミ間の純正長3度音程をカッコウは自然に
歌っています。2羽のカッコーが同時にミとドを鳴いたらきっとすばらしいハーモニになるんでしょうが!
 もうひとつ、ちいちゃな子供がハトポッポを歌っているのを聞いたことありませんか?
なにも音楽の訓練を受けた経験がないですから子供は自分の出しやすい音程で歌ってしまいます。ポツ ポツ ポー ハトポツポーは♪ド レ ミー ソミドッレー♪ですね!
これもよく聞くとたいていはミの音が低いんです。実はこれも純正長3度音程なんです。

人間の声帯はもともと協和音程を出すのが自然なのです。鳥や他の動物も同じです。
日本の民謡や世界中の民族の歌うフォルクローレはみな純正音律でうたわれています。日本の音楽は古来より中国から伝わった三分損益法という音律を使ってきました。

音律の話、少しおもしろくなってきましたか?
私くしベルクマイスターは、この純正3度の響きをみなさんにあじわってもらい、音楽の喜び、美しさ楽しさの幅を広げたいとおもっています。
ウイーン少年合唱団、ピーターポール&マリー(PPM)、サイモンとガーファンクルもこのハーモニーを使っています。ビートルズのマッカトニーとジョンレノンは幼少時に教会の聖歌隊で歌っていましたからひょっとするとあのビートルズサウンドも純正3度のハーモニーをとりいれていたのではと憶測してしまいます。

 次回は、では実際にどうすれば簡単に古典音律で音楽が出来るかを話して行きましょう。

今回はこれにてFineしましょう。

 







  

Posted by ベルクマイスター at 14:50Comments(1)

2007年03月28日

続入門編

 ピタゴラスが鍛冶屋の前を通りかかると、鉄を打つ音が聞こえてきました。いろいろな高さの音が鳴るなかで、2つの音が重なってとてもここちよく響くのにきずきました。ピタゴラスはさっそく中にはいっていき今どんな鉄を打っていたかしらべました。するとそれは重さが1.5倍の比率の2つの鉄を打った音だとわかりました。これがドレミ音階でいうドとソの音だったのです
 かれはさっそく家にもどり、音階を数字で規格化できないか研究をはじめました。そして次の方法で1オクターブの12音を決める方法を発明しました。この方法はとてもシンプルでわかり
やすいので、説明しておきましょう。ドからかぞえてソは5番目でこれを5度音程といいます。この5度は全音3個と半音1個でできていますので完全5度といいますが、とりあえず5度と呼びます。そしてソからまた5度上のレをきめます。こうしてレーラ、ラーミ、ミーシというふいうにくりかえしていくと12回で元のドにかえってきます。こうしてできた12音をピタゴラス音律といいます。ある重さの鉄の音をドとしますと、その2/3の重さではソになりますね。弦楽器では
ある長さの弦を弾いた音をドとしますと、その2/3の長さでソになります。ソにたいしてドは重さでも長さでも1.5倍ですね。こうしてピタゴラス音律が誕生し、ハーモニーを楽しめるようになりました。しかしハーモニーといってもオクターブとドーソ、ソードの3種類の重音しかなかったのですが、これだけで何百年も音楽を楽しんでいたんです。いまではとても考えられないですが。これが記録として残されている音楽の歴史の始まりといわれています。
 これで古典音律入門編は終了としましょう。次回はいよいよ「魅惑の3度」の登場です。
ようやく”3度”と言う言葉の意味がお分かり頂けたかとおもいます。そーですミの音です。
では今回はこれにて失礼いたします。           
                                         ベルクマイスター  

Posted by ベルクマイスター at 10:28Comments(1)

2007年03月20日

古典音律入門編

 音律の定義ですが、専門書ではないので、なるべく解りやすくいきましょう。
音楽でつかう音を楽音といいますが、その楽音の音程を定めて並べ方を決めたものと解釈してください。現在一般化しているものは、12等分平均律といいまして歌唱や殆どの楽器の音程をこの音律で決定しています。1オクターブを均等にを2等分して、半音12個を定めます。そして半音2個分を全音とします。そしてドレ、レミ、ファソ、ソラ、ラシ間は全音程、ミファ、シド間を半音程とします。合計すると半音12個分になりますね。そしてドとレの中間の音をド♯又は、レ♭とします(これを異名同音と言いますが)。これで12個全部に音階名がつきました。これが12等分平均律です。音程を12にどうやって分けるのかは、次編でやりましょう。
ところがこの方法は、19世紀後半から20世紀にかけて、ようやく普及してきたものなのです。以外と新しいものですが、その理由はここではまだふれないでおきましょう。
 ではそれ以前はどういう方法をつかっていたのでしょう?
古来、世界中のいろんな国の民族は、それぞれの自分達の音階や音程で音楽をしていたようです。ドレミファソラシと5個の半音の12音を使ってはいませんでした。そこでギリシャの哲学者で数学、音楽、をもきわめたピタゴラスさんが登場します。あのピタゴラスの定理の彼です。彼はなんとか音楽に使う音を数学的に規格化できないかと考えていました。そしてある日
彼は鍛冶屋の前を通りかかりました・・・・・・・・。

えーあまり長くなると頭いたくなりますので今日はこの辺でendしましょう、では失礼します。
                           
                                          ベルクマイスター
  

Posted by ベルクマイスター at 12:41Comments(0)

2007年03月16日

古典音律ってなあに

 現在の音楽は、12等分平均律で音程間隔をきめて12音が作られていますが、約100年ぐらい前まではは、違う方法でつくられた音律で音楽をしていました。バッハ、ベートーベン、シューベルト、ショパン等は自分の好きな得意の音律で作曲していました。その響きは現代のそれと、かなり違っています。私くしベルクマイスターと一緒に古典音律の響きの世界を旅してみませんか?  

Posted by ベルクマイスター at 20:53Comments(0)